上地流の八型
上地流は、次の 8つの型(かた) を体系としています:
- 三戦(サンチン)
 - 完子和(カンシワ)
 - 完周(カンシュー)
 - 十戦(セイチン)
 - 十三(セイサン)
 - 十六(セイリュウ)
 - 完戦(カンチン)
 - 三十六(サンセイリュウ)
 
このため、多くの伝統的な上地流道場では 八角形 をシンボルとして用いています。
三戦
文字通り「三つの戦い」(三=三つ、戦=戦い)を意味します。三戦は、上地流の立ち方「三戦立ち(さんちんだち)」、動き、身体の各部の配置を理解するための教育的な型と考えられます。ここでは最初の円形の受け「和(わ)受け」も導入されます。
三戦は上地流における基礎中の基礎の型です。実際、この型で学ぶ身体角度はすべての技術および他の型を正しく実行するために不可欠です。
一見すると簡単そうに見えますが、正しく演じるには非常に複雑な型のひとつです。沖縄の実践者によれば、「習得には生涯を要する」と言われています。
この型で出会う「三つの戦い(心・体・霊)」とは、柔軟性、タイミング、そして力という実践中に遭遇するものでもあります。
完子和
完周
完周は、上地流の第三の型であり、上地完英の息子である上地兼英の門人・糸数盛喜が発展させたものです。
その名称「完(かん)」は上地完文への敬意、「周(しゅう)」は周子和への敬意を意味します。
この型の目的は、動きの精度とタイミングを教えることで、鶴(つる)技の導入も含まれています。以前は「第二十三(だいにせいさん)」または「23番目の十三(にじゅうさんばんめのせいさん)」と呼ばれていましたが、現在の位置づけは明確です。
この型は「十三(せいさん)」の導入段階として機能し、共通の技線を共有しています。
十戦
十戦(じゅっせん/せっちん)は文字通り「十の戦い」を意味し、沖縄文化において「十(じゅう)」という数字は成人に近づいた年齢(おおむね13歳あたり)を表しています。
非常に「中国的」な型で、元来の「パンガイヌーン(Pangai-Noon)」技術から引き継がれています。多くの円形技を取り込み、手足の鞭打つような動きを導入し、身体の協調性と強化を段階的に発展させます。
十三
十三という名称は、13 の攻防法を指すとされるほか、琉球王国時代において13歳という成熟の象徴でもあります。
また、13番目の少林寺ホールで僧侶たちが前の部屋で習得した技を復習したという伝承にも関係します。
この型は、上地完文が中国から伝えたもので、後に上地完英によってわずかに改変され(冒頭のラインが追加されました)、成熟した実践者のための型と見なされています。そのため、初段(第一黒帯)取得にはこの型の習得が理論的に求められています。
当研究所では、現代版の十三と、我々が「古い十三(ふるいせいさん)」と呼ぶ原型も教えています。古い十三は、リラックスと前進の勢いを利用して、同時に防御と攻撃を行うことを重視しています。
十六
十六(せいりゅう)は文字通り「十六」を意味します。十六という数字は、成人へ至る成熟の段階を象徴すると解釈できます。
この型は上地兼英によって創作され、脚部の強さ、バランス感覚、協調力が要求されます。竜を意識した回転技術を多く取り込んでいるためです。
完戦
完戦(かんちん)は、「完(かん)」が上地完文への敬意、「戦(せん/ちん)」が「戦い/戦争」を意味する漢字です。
この型は上地兼英が父への記憶を留めるために創作しました。
完戦では、上地完文のお気に入り技が主に用いられており、さらに渡り受けという双重ブロック技を含む、三十六(さんせいりゅう)からの技術も導入しています。
Sanseiryu (三十六)
三十六(さんせいりゅう)は文字通り「三十六」を意味します。
36とは、36通りの攻防法を指すとされ、また「360度」を暗示し、あらゆる方向からの攻撃に対処する能力を示唆します。
この型(以前は散代龍/さんだいりゅう、または三十六とも呼ばれた)は、上地完文が中国から持ち帰った3つの型の中で最も進化したものとされ、前の型で学んだ技術すべてを統合します。虎・鶴・竜スタイルを含んでおり、非常に高度な型です。
					